2025年10月1日から始まった米政府閉鎖は、予算案を巡る議会の対立によって発生しました。
閉鎖は43日間続き、これは米国史上最長の政府閉鎖となりました。
そして2025年11月12日に下院でつなぎ予算案が可決され、大統領署名を経て正式に解除されました。
この長期閉鎖は、連邦職員の給与未払い、航空便の欠航、食料支援プログラムの遅延など広範な影響を及ぼしましたが、解除後は徐々に復旧が進んでいます。


暗号資産市場への直接的な影響

通常、政府閉鎖解除は米国経済の安定感を回復させ、投資家心理を改善します。
その結果、ビットコイン(BTC:暗号資産の代表格)イーサリアム(ETH:スマートコントラクト機能を持つ暗号資産)など主要銘柄の価格が上昇する可能性があります。
ただし短期的には「ドル資産への資金回帰」による一時的な調整も見られるため、価格は乱高下しやすい局面です。

過去の政府閉鎖解除後の暗号資産の動き

過去の事例を振り返ると、政府閉鎖解除は暗号資産市場に複雑な影響を与えてきました。

  • 2018~2019年の35日間閉鎖では、株式市場が金融緩和期待で上昇する一方、ビットコインは弱気相場の最中で価格が下落しました。

  • 2025年の今回の閉鎖解除では、規制当局の業務再開やETF承認プロセスの再始動が安心感を広げ、ビットコインは一時的に10万ドル超まで回復しました。

このように、解除後は短期的な乱高下を伴いながらも、一時的に流動性や制度的安心感が広がる局面がありました。
しかし現在はその効果が薄れ、2025年6月並みの低相場に近い水準まで下落しており、投資家心理の不安定さが再び強まっています。

投資家心理と市場の変動

暗号資産市場は投資家心理に強く左右されます。
過去の政府閉鎖解除後は確かに暗号資産市場の上昇傾向が見られましたが、今回はリスクオン相場として暗号資産が評価される流れは今のところ限定的のようです。
現在は米株式市場や金が下落傾向にあり、ドル円の相場は、高市総理誕生から円安傾向にあり、政府閉鎖解除後も維持している状態です。

💡リスクオン相場
  → 投資家がリスク資産(株式・暗号資産など)に積極的に資金を振り向ける局面で、景気拡大や金融緩和など楽観的な環境下で起こりやすい市場状況を指す。
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デリバティブ取引やFX取引の注目

暗号資産市場では、デリバティブ取引(先物やオプションなど、価格変動を対象にした金融契約)FX取引(暗号資産を証拠金で売買する取引)が拡大しています。
政府閉鎖解除後は市場のボラティリティ(価格変動率)が高まるため、デリバティブ取引やFX取引を通じたヘッジ(リスク回避)や投機が活発化する可能性があります。
主に、これらの市場での大規模なショートポジションの積み重ねが顕著にみられる状態です。

💡ショートポジション
  → 資産を借りて売却し、価格が下落した後に買い戻して差益を得る取引手法。
    価格下落を利益機会とする逆方向の投資戦略。

今後の動向について

現在暗号資産を取り巻く環境が今後どう動くかで、暗号資産市場の動きも変わります。
ビットコインの半減期のシステムがあるので、長期目線では上昇が予測できますが、短期で見た場合は現在の状況を突破するためには、市場に大きなパワーが必要な状態です。
現時点で、暗号資産関連の材料は以下の通りです👇

① 市場内部要因材料

  • ビットコイン先物市場の売却圧力の行方
     → 現在はロングポジション清算やショート積み増しによる短期的な下落傾向。

  • 米国の戦略的ビットコイン準備金(約32.5万BTC保有)
     → 押収資産を売却せず蓄積する方針が出進行中。

  • 州レベルの準備金法案
     → ニューハンプシャー州、テキサス州が法案通過済。

  • ETF資金流出入
     → 機関投資家の資金移動が価格変動に影響。

② 外部環境要因材料

  • 米国の政治的安定
     → 政府閉鎖解除が国際的な規制整備への信頼性を高める。

  • CLARITY法案
     → SECとCFTCの監督権限を明確化。
       国際規制との整合性に影響。

  • GENIUS法案
     → ステーブルコイン発行制度を整備。
       すでに成立済みで規制基準が適用中。
       しかし、一部のステーブルコインでデペッグが発生中。

  • 401k制度への暗号資産導入
     → 2025年8月の大統領令で確定拠出型年金プランに暗号資産投資が可能に。
       約12兆5,000億ドル規模の市場で、2026年初頭から実際の組み込みが見込まれる。

  • EUのMiCA規制
     → 包括的な暗号資産市場ルール。
       米国の政策と連動して市場に安心感を与える。

  • 各国のビットコイン準備金採用宣言(直近)
      ドイツ    → 議会で戦略的準備金化を議論。
      スウェーデン → 国家準備金創設の動議提出。
      台湾     → 中央銀行が研究を承認、押収BTCの国庫保有試験運用へ。


まとめ

今回の米政府閉鎖は、史上最長という特徴を持ちながら、解除後も市場に不安定さを残しています。
暗号資産市場は短期的な調整を経つつも、長期的には信頼性が高まりより多くの人々に受け入れられる環境が整っていくことは間違いないでしょう。
政治・経済の動向を注視しながら、暗号資産市場の成長を前向きに捉え、投資機会に活かしていくことが重要と言えます。

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